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すべらない~話(1) 携帯なくす 

誰でも持っている、すべらない~話。 昔のブログからの転載です。


ダウンロード (2)


毎日、帰り際にJR乗って、携帯電話で株価見たり、

mixi見たりしてるのが日課になっているのだが、

最近は携帯を握り締めて、途中で寝ていることが多い。

その日も気づけば夢の中で、「京都駅~」とアナウンスが聞こえたような気がして、夢から覚めた。

いつも京都駅で新快速から普通に乗り換える。

「あ、京都や!」

すかさず電車を飛び降りて、向かいの普通に乗り換える。

電車に乗って、寝る前の続きを見ようと思い携帯を探すがどこにも無い

あれ? 携帯がない?
さっきまで握り閉めていたはずなんやけど・・・

なんどもカバンやポケットをまさぐるが見つからない。

ひょっとして新快速の座席に置き忘れたのか?

幸い、ホームの向かいにはまだ新快速が止まっていたのであわてて飛び乗った。

とりあえず、半分寝ぼけていたので、自分がどこに座っていたのか思い出せない。

とにかく一瞬の隙だったので、まだ近くの誰かが持っている、もしくはどこかに置いてあるはずである。

なんとなく座る前の記憶がよみがえってきて、だいたいこの席だったよなあと思った場所に、ちょっと酒に酔っ払った感じのオッサンが2名座っていた。

うーむ、確かあの席だよなあ。
座席の横に落ちてしまって気づかないのかなあ?。

そのオッサンにちょっと聞いてみようかと思ったが、なんとなく勘違いしてたら嫌だと思い、とにかくオッサンが下車するまで待って見ることにした。

電車は高槻、新大阪を過ぎるが、依然としてオッサンが降りる気配もない。

うーむ、誰かに拾われたとしても、携帯を悪用されたらまずいなあ。
とりあえずAUに電話して、電話を停止してもらおうかなどと考えていた。

まあメールやアドレス帳はパスワードかけているし
電話止めればいいかあ。

それにウィルコムに買い換えるにもいい機会だしな。

などと考えていたら、大阪駅についた。

大阪駅でおっさん2名は席を立ったので、すかさずシートを見るが携帯はない。

ひょっとしてオッサンが持っているのか?
親切なオッサンならば、忘れ物に預けてくれるだろうし、
悪いオッサンならどっかで人目を避けて携帯を見るんじゃないか?

とにかく俺は電車を降りて、オッサンの足取りを追いかけることにした。

まるで探偵の尾行のようだ・・・

ディアモールを進んで追いかけるが、オッサンの動向には携帯に結びつくような足取りはない。

うーむ、こうなりゃ携帯に電話してみるか?

オッサンが持っていたら、なんか反応あるやろ・・・
と思い、近くの公衆電話で電話してみた。

「プルルル、プルルル、プルルル、ガチャ」

「もしもし~」

電話に出たのはドラ声のオッサンでなくて、
かわいらしい女性の声だった。

あれ? ひょっとして拾ってくれたんだ~

とりあえず、見つかる可能性が出てきて良かった。

そう思うと気分は一気に高揚し、俺はその女性に丁重に礼を述べ、速やかに落とし物センターに預けてくれるように頼んだ。

女性「京都駅にいますから、ここで待っています」

俺「えっ?、こっちは大阪なんですけど」

女性「いまから長岡の方に向かうんで、長岡で待ってます」

俺「えっ? 30分ぐらいかかりますよ。じゃあ改札口で待ってくれますか?」

女性「...ちょっと電話を切ります」

俺「え、え~?」

こんな会話だったように思う。

俺はなんとなく、相手の連絡先もわからず、
しかしわざわざ待ってくれるなんて、世の中親切な人もいるもんだなと、なんとなく狐につままれたような気がした。

とりあえず、嫁が長岡近辺にいるんじゃないかと思い
嫁さんに電話する。

俺「もしもし、携帯電話を落としてな、拾ってくれた人が長岡駅で待ってくれるらしいわ」

嫁「よう、落とすな~」

俺「どこにおんねん、長岡まで取りにいかなあかんねんけど、いま大阪やねん」

嫁「いったらいいやん」

俺 (この緊急事態やっちゅうのに、なんちゅう対応やねん)
「お前、近くにおるんやったら駅まで取りにいってくれへんか?、どこにおんねん?」

嫁「ブックオフ」

俺「なんでそんなとこにおんねん、とりあえずお前からもその人に電話して、今から行くからと言っといてくれへんか?」

とりあえず、俺は相手を待たせてもいかんし電話を切った。
いつもと違う嫁の無愛想な対応に、腹立たしさを覚えながら・・・

いったい、どんな素敵な女性が拾ってくれたのだろうか?
しかし、なんとなく嫁さんに声が似ていたなあ・・・

でもなんで嫁が持っているんや?
今朝は確かに携帯もって出かけたしなあ~
それとも寝ている間に嫁さんにドッキリでもしかけられたのかなあ?

それに長岡京なんて、すごい奇遇やなあ。
ひょっとしたら毎日顔を合わせていたかもしれない美人か?
なんか、とっても運命的な出会いかもしれない

などと終始、疑念と期待が入り混じる複雑な気分で長岡京へ向かう。

長岡駅に着き、改札に立っているだろうと思われる美人を見渡すが誰もいない。

あれ? まだ来ていないのか?

ベンチを見ると嫁さんがぼうっと座っている。

俺「お前、なにしてんねん」

嫁「駅に来いといったからきた」

俺「そんなことより、女性に電話してくれたんか?」

嫁「いいや、自分でしたらええやん」

なんちゅうやっちゃと思い、仕方なしに近くの公衆電話で電話をかける。

俺「もしもし~、いまどちらにいらっしゃるんですか?」

女性「長岡京駅です」

俺「はあ?、長岡京のどちらに?」

女性「自動販売機の横です」

俺「はあ?」

完全に何がなんだかわからなくなり、自動販売機の横見ると
嫁さんが俺の携帯電話で話しをしていた。

あーーーー れーーーー

緊張感が戸切れ、奈落の底に落ちていくような脱力感が・・・


後で話を聞くと、拾い主が携帯の履歴見て嫁さんに電話してくれたので、嫁さんが京都までとりに言ってくれたとのこと

とりあえず携帯戻り一見落着であった。

今回の話は、俺の推測できる範囲をはるかに超えていた。

おっさんを疑ったり、嫁さんに腹を立てたり、はたまた見知らぬ女性にときめきを感じたり

つくづく自分の人格の乏しさと卑しさを情けなく思った。


どうも嫁さんありがとう。

そして、素敵なときめきを与えてくれてありがとう。

約束通り、焼肉フルコースをごちそうするよ


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